我々の親世代には、こう愛称で親しまれていた春日野八千代丈が亡くなった 。確か来年、宝塚は百年を迎える。当然繰り広げられる筈の、華麗な式典への出演は叶わなかった。
8月上旬に「少女仮面」を演出した時、今まで、ダンディな若き頃の「よっちゃん」姿が定番だった所を、自分が目に出来た、白塗り若衆で「春日野八千代」を演じて貰った。
時代の生き証人が、また一人消えてしまった訳だ
。
我々の親世代には、こう愛称で親しまれていた春日野八千代丈が亡くなった 。確か来年、宝塚は百年を迎える。当然繰り広げられる筈の、華麗な式典への出演は叶わなかった。
8月上旬に「少女仮面」を演出した時、今まで、ダンディな若き頃の「よっちゃん」姿が定番だった所を、自分が目に出来た、白塗り若衆で「春日野八千代」を演じて貰った。
時代の生き証人が、また一人消えてしまった訳だ
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松尾芭蕉論を芝居仕立てで見たような、三十六シーン(三十六歌仙)。ふ~ん、ふ~んの連続。緩急自在な主役の大和屋も声音は明晰だが、アンサンブルの4人も劣らず、伸びやかで個性的な声揃いで、それだけでも楽しめた。歌舞伎役者は、「役者名の素」という特殊なテンションを有してる。開幕で「坂東三津五郎」としてご挨拶をし導入部を語る、現代演劇の俳優では照れちゃうような趣向を苦もなくやってのけ、その上喝采も得るのがその証拠。井上ひさしは深~いな 。
しようと思わないで短縮。二巡目を終え、第一幕通し。テンポが良くて小気味いいな~、と思ってたら尺が短くなってました。勿論細かい所で気になる幾つがありましたが、全体にいい感じです。
画像、左はゲストの竹尾一真君、苦虫なのは写されるのが嫌なのではありません。実は、座長中尾隆聖氏のご子息でして、20周年にして初共演です。その息子さんが、不機嫌な時の親父さんの顔真似をした一枚。そんな趣向を無視してカメラ目線なのが、DC五人組の河野智之さん。
二巡目突入!俳優諸氏の都合に合せ、今日揃ったお顔触れで、一幕の出来るシーンをシラミつぶしに反復稽古。小まめに休憩を取りつつ進めたのだが、終った時には皆ぐったり。こちらも、流れがつかめないので、テンション保つのが一苦労。
でもね、皆さんプロ意識が高いから、やればやる程、密度が濃くなり、その上テンポが良くなるんで、こちらの発想も刺激されます。
そんな中、小道具やら裏の動きもしてくれてる内の二人、大きく濃厚なキャラの伝坂勉さん(左)、そして出演はしませんが、稽古用音響や稽古アンダーなど八面六腑の吉次英哲君(右)。
シェイクスピアもこんな本書いてたんですね 。五千ヶ所も違いのある異本が伝わってるらしい。
流石、ベテラン新劇勢の台詞術が緩急自在で見事!小峰リリー氏の衣裳デザインがカッコイイ。ヘレネ、叶姉妹かと思った 。場内隅々、ビンビン響く声音に包まれた、彩の国でしか味わえない、夏の名残りの宵でした。
「カサンドラ」役で、ぶっ飛びな存在感を示した(実際、飛んでたし、イナバウワーもしてた)内田滋君、「蜘蛛の巣城」の山田五十鈴丈が演出プランだったという「アンドロマケ」の天邪鬼屋と、与野本町の地元で終電を気にしつつ、汲み交わす。時間を惜しがって飲んでたら、写メ撮るの忘れた
。
二幕の後半、ストーリーから離れたご趣向場面を作ったのだが、スケジュールの都合で、段取り決めに遅れた出演者に、こういう段取りですから、と、居合わせた皆さんで再びやって見せたら「こんな贅沢、有難うございます」と頭を下げた。そうそうたる顔触れが、一人の為に再現した為です。
オレ~、声優の世界って全然知らないの。DCの皆さんやらゲストの方々、大半を存じ上げるんで、軽~い気持ちで、すご~く自由に稽古させて貰っているけど、これ、やっぱり、しっかりした頂点が許した無礼講な現場なんだ、有難い、と感じ入りました。
思えば、声優オンリーになる前の中尾氏を実写で見てるし、同業者として大先輩なのに、こと創作に関しての謙虚さは驚愕です。同世代の出演者が、あなたの言う、あれって、こうだよね?という意見もツボ的中で、改めて豊かな場で演出させて貰っているんだと嬉しくなりました。
その豊かさに新しく加わったのが月城屋!忠臣蔵ですからね、当然討入りシーンがあるんで、チラシに載ってませんが、殺陣師として招きました。
4、5時間で数十ページ。花組だと、6時間で十ページ前後なのに、この速さは異常だ。色々な事情と理由があるのだが、何より、皆さんの飲み込みが早いのが一因。
嬉しくって、自分のテンションが上る!上る!毎日、或る駅を下車、稽古場まで20分徒歩なんだけど、刺激的な場が待ってると思うと、大汗も正しく新陳代謝してる証しだとの確認も含め、楽しい。
二幕へ突入後も、このスピード衰えず、あと数日で大まかな全貌が掴めそう。
画像は、こんな現場でも、マイペースなベテラン堀本等氏。いいポジションを確保しています!
通し終了、お疲れ様のテーブルで女優二の線ゲスト。
え?ゲスト女優もう一人いらしたでしょ?だって、くじら嬢は誰よりも可愛いけど、ポジションは二の線じゃないでしょ。うわッ、見つかったッ!「あんたね~!」僕はオキアミよりはでっかいんで、食わないで下さ~い(爆)。
画像、左から。森田順平の教え子(これはビックリ!3年B組)伊藤つかさ嬢、大学の先輩「オコさん」渡辺菜生子嬢、三代目峰不二子の沢城みゆき嬢。
まだ、流れがギクシャクしてますが、それさえクリア出来たら、高水準のパフォーマンスになります。
多摩川花火大会(川崎&世田谷、同時開催)、毎年恒例なのですが、昨年が自粛で30分のハーフタイムだったせいか、今年の人手は半端ない!
川崎と世田谷、日を別にして開催していた頃は、提供者を拡声器で演説しながら悠長に2時間たっぷりやってました。一時資金不足で休止していた(東京側)、その再開以降、チャッチャと1時間で終らすのが定例となりました。
ニコタマへ移ってからの花組稽古場の花火見物も恒例となり、今年も5、60名かしら?お友達をお招きしてワイワイと過ごす事が出来ました。『阿呆浪士』組、『交響曲 月に吠える』組、共に稽古を早く繰り上げ、ご参加頂きました。
パッと開いて、パッと散る。「美」は見た瞬間が一番で、後は蛇足、もしくは「醜」
。一瞬のキラメキにこそ「美」の本質があるように思います。花火はその点究極かも知れませんね。「あ、キレイ」で、醜い灰は闇に隠れる。
2枚の画像は、参加数では最大与党、DCご一行です。嬉しいです。有難うございました。
大文字に酔い痴れているであろう京都を、随分遠く尻目にして、世田谷区では熱い稽古が続行中!
大道具など、発注云々の段取りで、忙しい立ち稽古になってます。俺の演出は、どうしてもスタッフもキャストも段取り過多で、ズンズン進むと情報の処理能力がパンクしますが、ゴメンなさい、ついて来て下さい(笑)。
テンション高いまま稽古終えたんで、「憩いの場所」が妙に盛り上る中、色々細々とした動きをしてくれる皆さん(左から、岩田奈緒美ちゃん、三井好美ちゃん、真砂尚子ちゃん)。この外にも男女問わず若手は稽古の前後、テキパキと動き回ってくれてます。
『阿呆浪士』の現場では本日、歌稽古。演出家は1日開放という訳で、ドリトルさんに続いての二本目。
休憩なしのマクベスなんて、普通あり得ないよね。レモンライブの斎藤栄作君が、重厚さを消さずに、長編を手際の良い脚本にまとめている。演出の板垣君が、四角い空間を使って、俳優を上手に整理している。
松村雄基氏が若~い!「最年長ですよ」いつもはお兄様お姉様ま方に囲まれているんで、戸惑っていた。馬渕英俚可丈がキレイ!矢崎君は努力賞だね。
終演後、板垣組ご常連!坊屋に案内されて、原宿の路地へ潜入。へえ~、オシャレなクセに、意外にリーズナブルな店があるんだね。12年前『泉鏡花の海神別荘』上演の頃は、終演後の店探しに苦労していたな
。僕の携帯って、照明の具合で妙な色調になっちゃうんだよ。こんなまっかっかな店内ではありませんでした。
ドリトル先生というと、レックス・ハリソン主演の映画を思い出す。
2007年の初演から、一部キャストの移動はあるらしいが、練りに練った秀作。劇中の裁判で、動物と会話出来るドリトルが、唯一の目撃「犬」を証「犬」として出廷させる辺りで、物語がダイナミックになる。
終演後、客席に居たわかぎゑふ氏と、蜂屋(犬のジップ)、小林至君(肉屋のマシュー)、三村聡君(世捨て人のルカ)、井上貴子嬢(子ブタのガブガブ)、佐藤円君(飼い犬のボップ、25歳!)、そして、台本・演出の倉迫康史氏らと、劇場目の前の「マレーチャン(マレーシア料理)」へ!この店って池袋西口にもあったな。『怪談牡丹燈籠』で、あうるすぽっとへ日参した当時には無かった。
マレーシア料理って、新大久保が韓国の町になる前に、初体験してはまった。タイと中国の良いとこ取りな感じで好きなんだよね。
今日事務所に納品されたホヤホヤ、『菅原伝授手習鑑』の本チラシを嬉々として配る。
初めての現場&戯曲なんで、ペースが判らず、折角お集まり頂いた皆様に、様々行き届かず失礼しました。今暫く、ご猶予と経験をすれば、流れが判りますんで、悪しからず。
やっぱり演出家動き回る現場になりました。もうこれは、僕の性癖だと諦めました。正しくマグロです。動いてないと、テンション保てない!
ふ~、と溜息のまま、DCさんご用達の、かの「飲み屋」で一杯。すると、隣の強面の兄さんが絡んで来るな!と思ったら、ゲストの田中完氏でした(画像)。あ、そうか、ここはDC事務所三階の、毎夜毎夜の「憩いの場所」でした(笑)。
硬軟交えた完さんの芝居、もっと生かすと誓いますんで、許して下さい(笑)。
読合せ稽古2巡目終了。終えたかったんで稽古時間1時間超過してしまいました 。こうして欲しいという提案を、どうやって言葉にするか?の課題と闘っています。
今までのようにやって見せるパターンは、受けての器量次第で効果無しな経験をしたんで、傾向として避けつつあります。ポイントの切り替えや、ムードだけは、ちょっと見せますが 。
或る程度上手い人程、整っちゃうのが気になる。意図的にザラッとさせるのって、ほんと難しいねえ。
演技の正解を探る為に、戯曲というか台詞を吟味する作業は、直前の「少女仮面」で、頼る所がそこしか無かったので始めたのだが、今回もその手段は有効らしい。「吟味」ってのは、生理的な必然性を探すって事かな?それが人物分析にも繋がるの。
何で黙るの?何で喋るの?の積み重ね。絵画のデッサンのように骨組みからでなく、ディテールのシラミ潰しの挙句に、「イビツな(これこそ、人間だ!)」人物がギクシャクと立ち上がる。ディテールから攻めるから、その過程で、演じ手の個性が蓄積され易いように思います。
あ、忘れるとこでした。タイトルの「焼き鳥」は、日々のお疲れ飲みに、いよいよ饗された定番!
DCの飲み会は、いつも「芝居」の話に終始します。それが新劇風な議論でなく、「芸談」風になるのが、世代の幅が広く、実践的な事務所だからかな?
皆さん、食い付いて来ますね~。もうね、代役にまで真面目に駄目出ししたくなる。それは「出来る」からなんです。出来るまで反復する稽古なんて、今や旧石器時代な感覚です。
打てば響くってこんなに楽しいんだ、と演出家、こんな有頂天でいいのか?落とし穴はあるのか?同時に不安な演出家、でもあります。
画像は「くじら」丈。撮った絵を見て「可愛い~!」とはご自身の発言!何て開けっ広げなのでしょう。
TARAKOさんの現場で、伊予屋達がお世話になっております。何故「くじら」なのか?その内、じっくり伺おう。
背後の鏡に、必死こいてシャッター押す自分が映り込んでいるではないか
。
どんな言葉で伝えれば、して欲しいポイントを把握してくれるかな?の毎日です。どうにか幕切れまで到達しました。
DC恒例、稽古終了後、別室での軽~い飲み会が日々あり、今日も今日とて、個人的な稽古用台本のコピーの仕上がりを待つという口実(?)で、カンパ~イ!てな事になりました。
今宵のおつまみメインは、本筋と脇筋を繋ぎ、女の悲哀を代表する役を勤める小田木美恵丈(DC所属)が、出張先、熊本から持参したお土産、馬刺し(白いのはタテガミ)プラス、気紛れな男に翻弄される女を演じる本美奈子丈(同じくDC所属)、地元愛知から仕入れたニンニク醤油漬け!
結局、コピーに2時間掛かった事にして、稽古場を後にしました(笑)。
昨日の顔合せ、不在な作者代りの構成者本読みは省略して、いきなり読合せさせて貰ったのだが、大雑把な尺と皆さんのお声を聞きたかった程度で済ませたので、改めて2日目に、注文出しつつ読んで頂きました。
ご意見申し上げても反復する時間がないので、再確認せずに、でも一幕目を終えるので精一杯でした。こちらの主張を腹へ落として貰えたかしら?不安だが、明日は二幕目。皆様のご工夫を拝聴するのは、明後日となります。
総勢24名!20代の若手まで、一所懸命さ満杯の現場で感動です。こういうのって、上に立つ人間の器量で決まりますね。
歌曲の半分は仕上がっていたので、読みつつ歌いつつなのですが、台詞のレベルも底が高いし、歌に関しては、苦手と聞いていた方々も随分事前稽古に励んで頂いたお陰で、稽古初日にこの水準は涙物です。
個人的にツボにハマった歌曲があり、星出氏のデモ音源でも落涙してしまったのに、圧倒的な合唱も加味され、おじさんは不覚にも再び泣いてしまいました。
終了後、皆様と打上げ。DCの現場でいつも演出先生な武蔵屋は演出助手!そして中尾氏ご指名、波多屋!
もう一つの画像、右は、配役的にDC五人組の一人山田朋弘君、左は、DCの俳優さんではないのだが、様々皆さんとはお付合いがあるらしい田中啓之君(通称ナポリ。何でナポリなのか、聞き忘れた)。
オリジナル・ミュージカルです!失ったものへの後悔で前へ進めない主人公が、それを助けたいと思う人々の力で、再び歩み出すまでを描いたハートウォーミングな物語。
歌唱力のある出演者4人が、作曲の荻野清子氏自らのピアノ演奏(これが芝居心満載、つまり演者の呼吸を的確に把握するので、毎ステージニュアンスが変わるそうです)に乗り、美しいメロディを聞かせてくれる。
橋本さとし君が、いい具合に年齢を重ねてます。
終演後、出演者の居ない(出演者のみのお疲れ会があった為)、観客オンリーの飲み会(監事はコング桑田氏)に参加。顔触れがスゴイ!宝塚、スタジオライフ、キャラメルボックス、東宝ミュージカルetc.作・演出のG2を囲み、ワイワイ致しました。
『阿呆浪士』一回目の美術打合せを致しました。
演出としてのプランを開示し、舞台美術プランナー&舞台監督、そして制作とで、劇場のサイズを考慮しつつ、そこからどんな具体的なプランを作るか?予算との兼ね合いで、どの大道具製作会社に発注すれば良いか(会社によってカラーがありますから)?などを話し合います。
鈴木聡氏の戯曲をいじる際に、既にテーマは決まっていたので、スムーズに打合す事が出来ました。いよいよ、明日(8日)顔合せです!