毎夏、小宮孝泰氏の企画による「役者達による落語とお座敷芝居や演芸会」の三回目。落語やんなよ、と勧めていた井ノ上隆志がいよいよ挑戦(28年振り)というので馳せ参じた。
常打ちにしていた北沢タウンホールが改修で使用出来ない為に、小宮氏が講師を勤める日芸の大ホールを借用!OBのクセに初潜入。通ってた頃の大講堂はすり鉢型だったが、所謂体育館風な作りに新装。その為、残響が気になるが、濃厚な顔触れがそれを払拭。
三人会でもお世話になった前田一知君が開口一番。その後に、何とご尊父、故枝雀氏の完コピ(代書屋)を見せてくれた井ノ上氏!自分も含め(皿屋敷)、枝雀型に挑戦する者数多おれど、これ程、丸写しの上にあたかもご自身オリジナルのように見せる人は、井ノ上氏以外居ないだろう。
ナイロンの松永玲子嬢が、ケラ氏作の「ストレスの海」。説得力あるね~。山口良一氏と大森ヒロシ氏の漫才は、ほとんど玄人。松尾貴史氏は、28年前に中島らも氏が書き下ろした「神も仏もアルマジロ」。らもさんらしい懐かしさ。ユルユル感がお手の物!
お仲入り後は、お座敷芝居。落語「平林」を「栗田」に変えて立体化。スタジオ・ライフの曽世海司君が「不動坊」を熱演!ウクレレえいじ氏(WAHAHA商店)が「♪マニアックで御免ね、微妙でごめ~んね」を。初めて全部見た。
小宮孝泰氏がトリで「厩火事」。以前拝見した時も思ったのだが、小宮氏の凄さは、小宮カラーに見えて実は正統派だという点。ちょっとした所作、身体の変化や間など、骨格が正しいって言うのかな?
あ、一つだけ、座に付いて、結界を張らない方が2、3いらした。三人会、またやりたいな~。
画像は、前田君(左)と松尾氏(右、判るよね)、そして右奥、蜘蛛の巣アロハの後姿が井ノ上氏!打上げの際、松尾氏の発言が良かった。この人は、酒席でベロンベロン親爺になるのだが、端々で頭脳がキュルキュルと巻き直って、いい事言うんだ。「(伝統芸能は)誰がやる、じゃなくて、どうやるかなんだ!」