原作のト書きでは、三五郎が身を潜める入れ物は、何かを漬ける?大きな桶(引越しで運び入れた家財の一つ)でした。これが終幕、早桶の代りとしてタガが外れてバラバラになり三五郎が登場するのですよ!予算もなく場面転換も出来ない現場で、どうしようか悩みました。結果、料金的に一番安い(布張りは値が上ります)白木の棺桶(仕掛けあり)を、衝立の移動で処理しました。皆さん気付きました?三五郎が腹切って登場する時だけ、棺桶の蓋に、「丸に違い鷹の羽(浅野家の紋)」の紋が描かれていました。戯曲上、いつも物議を醸す「(源五兵衛)こりゃこうのうては叶うまい」の台詞(最近、歌舞伎ではカットされます)を如何に成り立たせるか 。色々調べている内に、こんなやり方もありそうだと、マニアックに演出して見ました。「出目金」さん→音楽は全て韓国産です。「黒姫丸」さん→本当の正義なんて、ありえな~い!てのが、南北の主張なんでしょうかね。
ひどく久し振りに2時間たっぷりマッサージ。「今日はどこを中心に行きましょう?」「右肩が五十肩っぽいんです。で、腰がギックリちょっと手前 」暫くして「あゝ、これは五十肩じゃないですね。普通ここまで手を上げたら、激痛で悲鳴上げてますよ」「 」「筋肉と関節が固まっちゃってるからでしょうね。特にふくらはぎとか、腰ですね」色々状態を聞くと、女形やってる時と、懲り方が違うのが如実。一生懸命、違うとこ使ってたのね 。
「おしるし」の作・演出田村孝裕氏、シアタークリエデビューを、那河岸屋と拝見。2005年当時停滞気味だった劇団ONEOR8の一か八かの起死回生、白黒(「ゼブラ」タイトルの由来だそうな )つけようぜ!と書き下ろした代表作だけあって、再演を重ねた煮詰めた感一杯。「憎いあんちくしょう」で恋人同士を演じて以来の斉藤由貴さんの魅力も一杯。作り込み飾り込んだ美術(香坂奈奈氏)。向田邦子氏「阿修羅のごとく」のオマージュ作品として実に上質な小劇場的台詞劇が、先月まで「放浪記」が上演されていた元「芸術座」客席一杯のご年配を笑わせ泣かせという現実に、演劇界の「今」を見せ付けられ、感慨深い。
全行程無事終了しました。稽古期間も通常より短く、アッという間でした。花組ヌーベルは、いろんな事が試せるので、この経験を本公演等に生かして行こうと思います。個人的には「自分の足元を見忘れるな!」というような事を思い知らされ、随分悩みましたが、「三五郎」役含め、実に刺激的な公演でした。昨日は後片付け。そして「四獣」が動き出します。写真は倉庫整理で鳴流屋が見せた曲芸!
是屋「カガミ」さんが鏡の国に居りました。いや~、小池くん、大挑戦な作品ですな。「四十になって、今まで恥ずかしかった、メルヘンを書きたくなった」ふ~む、これが、その、役者に難易度の高い演技を要求する「ユニゾン演技」とは 。聞けば、中国の現代アートの作品に感化されたらしい。本物そっくりの床屋の鏡の向こうに、まんま反対空間を作った、つまり鏡に写るべき「絵」を実物で表現したもらしい。拠点地(トップス)を閉鎖で失った双数姉妹の新しい創造世界、応援します。小池くん、頑張れ!