コンタクトレンズをしていたので、客席で読めなかった(字が小さい )リーフレット。日付け変わり詳しく読んで驚いた。表紙の「多喜子の声明文」が、作品の半分近くの中身を暴露していた。しかし読まないで良かった、一つ一つの展開が至極新鮮だったんで。
随所に入る多喜子のモノローグ(幕開きは客席へのご挨拶)が、普通ならディテールを端折る脚本家の手抜きに見える場合があるのだが、逆に演劇的な深みを与える秀逸な手段になっているのが素晴らしい。いや~蓬莱君、抜群!
三方客席は役者に緊張感の持続を強いるが、背中も大事!という感触は、大なり小なりM系の「役者」という表現者には、実は心地良いのだ。
人間関係のカリカリ度が極限に達する手前に、必ず客席を緩ますボケが入る。終演後の飲み会で隣席になった小椋毅君によると、いつもよりボケが多いとの事。「(蓬莱君を見ながら)この内容だからかな?」と小椋君がポツリ。確かに、妻帯者にはキツ~いテーマであり、夫婦で見るか単独で見るか、で随分客席での居住まいが変わるらしい。矢張り「した~いッ!」の叫びは強烈だった。
西條君の胡麻塩が、芝居と連動して渋~い。津村君、実は楽しい役。古山君の受けがいいな。女優陣もそれぞれ魅力的で、ほんといい現場だね。
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