東海道四谷怪談/新国立劇場中劇場(ネタばれ)

| コメント(0) | 修正

日本の現代劇系ナショナルシアターで、世界的な近松門左衛門と並ぶ鶴屋南北の名作「東海道四谷怪談」を初上演する事云々でなく、フジノサツコさん(上演台本)と森新太郎さん(演出)が、どう感じ取って、どう切り取ったか、を明確にみせて頂いたし、その主張が良く判った舞台だった。

「直助権兵衛」の不在は気になるが、超シンプルなのに、新国立中劇場の間口一杯を、ヨーロッパ風に埋め尽す演出が、現在の「新国立劇場」らしい仕事で、潔い。

意欲企画初日とあって、演劇界の重鎮が多数いらしていた。南北と戦った成果を見て、是非書いて欲しい。

小仏小平を仰せつかった田仁屋(谷山知宏)は現場で、随分可愛がられているらしく嬉しい。お梅は織物の振り下げが似合うと思うが、全体に衣裳は南北カラーで、陰影を強調した舞台面と釣り合いがいい。鐘の音は「銅鑼」でなく「本釣」の方が好みかな?

或る方から「(男優大勢で)花組のようですね」と声を掛けられた。基準の一つとして頂き有難い。


コメントする