ラブ・レター/音楽座ミュージカル

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『人生は間に合う』

「地下鉄に乗って」と同じ浅田次郎氏の原作。団体のポリシーである「人間愛」を取り戻そうという舞台。

目的があったとは言え、日本へ働きに来た中国人「白蘭」が、偽装結婚という裏技を使った上の非業の死。戸籍を借り出して50万の裏報酬を得た前科者「吾郎」が、人を愛する本能に目覚めた末に辿る運命(刺殺)が悲しい。これに東日本大震災の出来事が加わり(脚色のオリジナル?)、志半ばで亡くなった人々への大いなる鎮魂を奏でて終演する。

たまたま二階席から見たのだが、幕切れ、海面の揺らぎを真似た照明が一階席前半分をユラユラ照らし、正に、波に沈んだ魂達の見立てになるのが白眉だった。

「鉄瓶」で、純朴な村田巡査を演じた齋藤信吾君は、今回アンサンブルだったが、溌剌とした顔付きが遠目にも直ぐ判る(物理的に大きいのか?/苦笑、ゴメン)。群舞が多いので、ダンスのレベルが先輩連と遜色ないのが良く見える。

冒頭の台詞は、吾郎の相棒役サトシが諭される言葉。

そう思いたいけどね…。


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