代替わりする物語をこんなにコンパクトに!目まぐるしい展開を、日生劇場の実はご自慢、迫りとスライディングステージ(動いてるの見たの何年振りだろう)を駆使して、スムーズに見せる、脚本(翻訳も)&演出G2氏の十八番。
そして、芝居の緩急に終始寄り添い、劇空間のテンションを支え続けた、和田俊輔氏による、名付けて「下座洋楽」!
全ての役に、語りと会話が常に交じり合う。人物との距離感を自在に操るのは、現代劇の俳優さんには厄介な筈なのだが、その仕上がりが小気味良い。稽古の賜物であろう。
那河岸屋が、幕開き第一声と、「幽霊が住みたがっている」という原作の終わりにもある台詞を言って、幕を下ろす大役を仰せつかっている。原作は「僕」の回想が大枠で、この「僕」が大介勤める所の「ロックウッド」なのである。
ヒースクリフがキャサリンの墓をあばく件を見つつ、唐十郎氏の「少女仮面」を思い出した。唐氏は、この「嵐が丘」が大のお気に入りだと言う。
「愛する」って恐ろしいんだよね。でも、それ無くしては生きられないよ、本当
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