うぶな雲は空で迷う/MONO-Zuki第1回公演(ネタばれ)

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武蔵屋(=水下きよし)の好きが高じて立ち上げたユニット。土田英生君の最新作(今年3月初演)との事。本当の目標を失った時、後ろ向きと前向きの区別が無くなる現実を、欧米戯曲タッチで寓話のように提示する秀作。

嘘を吐くのが彼女(ジャンボ)だけでなく(1回だけ本当の事を言って居るそうだが)、他にも真実を話さない人物がいると、事実の曖昧さをテーマに加えられそうに思うが…。演じ手の選択と演出方針の強引さで、爆笑喜劇に仕立てられそうにも思う。その窓口の広さが、土田戯曲の妙かも知れない。

役者人生最多の台詞量と戦った乙貝屋(=磯村智彦)、水下劇常連、井上啓子丈は揺るぎない安定感。伊予屋(=桂憲一)が珍しく色気なしの役。川西佑佳嬢(扉座)の上目線台詞にドキドキ。山藤貴子丈の、言えば小悪魔役が憎めない。


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