2015年7月アーカイブ

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壊れた風景/名取事務所

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吉野悠我氏が演じる「別役実」の世界をやっと拝見する事が出来た。吉野氏は、別役実海外交流シリーズに全て出演している。

知的分析を身上とする「新劇」のある種極致。この作品を評する文章に登場する、「リベラリズム」「ポリス・エクス・マキーナ」「戦後日本」etc.初演の1976年と2015年の今との云々…。

「新劇」の象徴のようでありながら、「山猫理髪店(1998年)」で最後の舞台を勤めた三木のり平氏の芝居が、並み居る新劇俳優を消し飛ばした事実…。のり平氏自身は、日芸の大先輩で出自は新劇だが、早々にコメディアンに転身した。新劇界で(価値観として)避け勝ちな「芸」とか「味」とかで勝負する人が、一番「別役実」だったのである。

その点で、ちょいと屈折した芸歴を持つ吉野悠我氏の、教科書通りでない芝居、その、(実は意図的な)いい加減具合がダントツ。気持ちは真面目、タッチは不真面目。
あ、これ「役」との距離感だね。

初日乾杯のお顔触れが多種多様、しかも「現代演劇界」の王道で、花組芝居との落差を思い知った。

昨年、志半ばで亡くなった武蔵屋(水下きよし)の後を繋いで演出させて頂いた「あとの祭り」とパックになっていた、リーディング作品。

大阪のみの舞台だったものを、今回東京「絵空箱」にて再演。

蔓延する「不幸の手紙」の中にラブレターが紛れ込んだ事で起こる、不思議な愛の物語。次々登場する老若男女を2人(橋田雄一郎&中道裕子)が見事に演じ分ける。物真似でなく、微妙なテンションの違いだけで区別する、落語のようなレベル!

拡散して行った物がグルリ元へ巡って来た時、不幸となるか?幸せとなるか?禍福は糾える云々だから、偶然なのだろうが、見方を変えれば「因果」を感じる、迷信好きな日本人独特のものなのかも知れない。

可愛らしく、そして緻密に計算された小品(作・演出/岡部尚子)だった。

奥沢神社

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七五三を祝った場所。男の子だから五歳の折。この近くの奥沢幼稚園にも通った。


DSC_0001 (49).JPG別な用事で訪れたのだが、何故か自分探しのような時間になった。


出生地「武庫之荘(むこのそう/兵庫県)」の記憶は一切ない。近所に同い年の友達が居たらしいから、2歳になるかならないかの幼子にも、別れはそれなりに心的な影響があったかして、もしかして積極的に消去したのかも知れない。


この周辺が僕の原点なのだ。で、自分て何だろう…。


「ご縁があるように」五円玉を投げ入れた。

主宰の林田一高君は文学座所属(俳優)でもあるようだ。薄井啓作君(出演)の誘いで、二度目のトリガー・ライン。

前回はダイアナ妃事故死を題材にしていたが、今回は在ペルー日本大使公邸占拠事件を取り上げた。

事件後のフジモリ大統領の失脚を思うと、一筋縄では行かない事件の複雑な多面性を上手く利用して自在に脚色している。そして事件の発端~過程~結末まで、様々な思惑が解決を遅らせただろう、その関わった人々の過去と現在が丁寧にそして無駄なく配されている。

圧巻はテロリストと人質が日本酒を飲み交わし、「上を向~いて…」と大合唱する件!しかも生ギターはテロリストのリーダーなのである。

本当に一人一人を描き捲ったせいで、国際的な広がりがあった筈の事件が、少し矮小なイメージを持ち勝ちなのは、気のせいかしら?骨太な社会派なのに、物悲しい恋や愛の物語に終始するのが、この作品の身上なのだろう。照明が立体的で判り易かった。

作・演出の林田君とは、9月の博多座でご一緒する。よろしく!

「ざっしゅ」のアクセントが「ダッシュ」と同じなんで驚いた。

団子屋の家族とそこへ出入りする人々の物語をオムニバスで構成。水郷屋(堀越涼)の戯曲は、自然主義の王道、自身の経験を散りばめて来たのだが、益々本人に肉薄しだした。

出演者皆がいい間の芝居をする。

大塚尚吾君のシークエンスが極めて演劇的で秀逸。「淡仙女」の当時より顔付きが良くなっている。役者って面白いね。

笹木皓太君と芝居談義。演技は、作っては壊し、壊しては又作り、一生その繰り返しなんだよね。皓太頑張れ!

丸(鳴流屋=丸川敬之)のおとぼけコントが恒例化(笑)。英語がもっと上手ければな…。

ふ~、目出度し目出度し!


もう終わったんで、ちょいと裏話を。


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お偉い先生が「良きに計らえ」と実働部隊に指示する図式でなく、その実働も兼ねるという頭も身体もフル回転な2週間でした。


DSC_0002(4).JPG衣裳小道具、鬘、画面に映り込む歌舞伎関連グッズ、果ては舞台写真に到るまで、物や人の手配や、劇団&個人からの持ち出し!未経験者が踊るってんで、急遽、舞踊家(大学の同期でもある)七々扇左恵師にお出まし願い、10日間みっちりお稽古(大東君、頑張りました!)。花子のメイクは元より、衣裳方さんが手配出来ない時の着付けまで。


驚きは大東駿介君の勘の良さ。踊るシーン、場合によっては吹き替えか!?のハラハラも要らぬ気遣い。又、ホテル内に急遽設えたという設定の楽屋、美術の高田君(日芸の随分後輩でした)が凝りに凝って、台詞通り「完璧!」


そして亡父松山惣十郎の遺影として、武蔵屋(水下きよし)取って置きの写真を飾ったカットを、ちゃんと挿入して頂けたのが、何よりの感激!


いやア、いい経験をさせて貰いました。有難うございました。

「警察予備隊」発足で賛否双方テンション上がると、舞台が急に「今」と拮抗し始める。それまでは、ちょっとした事で挫折したと思い込んでしまう、矮小な青春ドラマ仕立てなのだが、突然額縁舞台から何かがこちらへ飛び出して来る感がある。

思えば、上演劇場「中目黒キンケロ・シアター」は、愛川欽也氏とうつみ宮土理氏が、手を取り合って生きて来た証の建物でもある。

昭和25年と平成27年、時は大きく隔てても、時代とチャンチャンバラバラする芸能者達の頑張りが、場と呼応している。

波多屋(原川浩明)がチラッと見せる、つらねとタップが見物。

終演後、魚が売りの店に。開演前から調べて当りをつけたが、私の鼻は利いたようだ。そう「中目魚」!お勧めっす!

花組博覧会という試み

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企てる側はそうだが、ご覧になる皆様も、どういう経験になるのか、未知数であったと思う。

28年の長さを確認した。作り続けた人間にはアッと言う間だったが、あの頃を、粗末な映像にしろ、耳にも目にも動いている状態で目の当たりにする事で、矢張り再評価的な何かが大なり小なり。

旗揚げ以来、その先!その先!と来られたのも、産み落としものの蓄積あってこそ。だがその蓄積を、今なり未来なりの影に隠し勝ちにしてしまうのは、実は作った本人だけかも…。28年経つと回顧もそれなりに意義があると言う事か。

あれはあれで、その刹那(年齢やら時代やら)の最高点だったのだ。

日本チャップリン協会という存在を初めて知った。会長であり、今作品の上演台本・作詞・訳詞を担当した大野裕之君は、日本のチャップリン研究では、今、第一人者だそうだ。

元の映画は随分以前に見たので記憶が薄れているが、映像を舞台劇にする手際がスムーズ。

新曲(音楽=荻野清子さん)部分が、「ライムライト」の世界を壊さず美しい。

一幕の複雑な進行、二幕、舞台の表と裏の行き来が巧み。タタラを踏むような幕切れが独特。

咲酒屋(植本潤)さんはお手の物!拝見した回は高校生の団体(200名)が入っていたが、ひどく神妙に観劇していて怖いくらい。オカマ演技だけはリアルに反応していた。

疲労回復

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日誌が滞り気味な主な理由、始めての役目を負い、現在関わっている現場。昨日は実に14時間、その場に居た…。

馴れない事とて、頭と身体がヘトヘトなのに、1日の終了儀式は外せぬと、リーマンの街「新橋」へ!金曜の夜、お目当ての店は満杯だったが、流石「新橋」、ちょっと探すとリーマン好みな値段やメニューが揃った店の空き席が見付かる。

同じ騒がしいと言っても、渋谷辺りのキンキン声と違う。

昔、漫画で読んだ居酒屋シーン。酔客達の頭上に浮かんだ吹き出しの中に、不釣り合いな程小さな文字、しかし石ころのような字体で「 ガヤ 」。これを見た時の感動と言ったら!絵と文字で現す漫画の究極を見た印象だった。つまりそんな感じ。勿論やかましいのだが、音程と音質は「人肌」。

飲み始めは只々「疲れた~」を連発していたが、ジョッキを重ね、野菜~魚~肉、と食べ進むと次第に元気が戻った所で、早めに切り上げ、昨夜は久し振りに8時間睡眠。

シャキッと目覚めた今日は、サア、花組博覧会2日目の会場に乗り込むのであった。

お母さん

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携帯片手でなく、両手で子育てして下さい。

横槍&掌返し

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ふ~ん…。

賀茂なす

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DSC_0001 (47).JPG輪切りにして、ひたひた油で揚げ、味付けは醤油のみ。甘味たっぷり、堪らん。


実験浄瑠璃劇『毛皮のマリー』チラシ用の撮影。劇団所蔵、持ち寄り、借り物、新規購入etc.企画から準備、そして撮影当日までてんやわんやだったが、どうにか狙い通りというか、それ以上の強烈なインパクトを放つ絵が撮れた!


早く仕上がりを見たい。

EUが崩壊の兆しを見せる今、世界は一つには矢張りならないという現実を突き付けられた今、国が国である為に行われた行為が、人間の性別を左右する。そんな超硬派な題材が、可愛くて妖しいお人形の、色気たっぷりの所作(うえだ君が、文楽の人形遣いに褒められたそうだ)で、奇妙な倒錯を見せつつ幕が下りるという、わかぎ嬢お得意硬軟聖俗混沌たる芝居だった。

様々な事実を巧妙に綯い交ぜ、当初の構想のままでは半日掛かり!という事で、演出もする主宰者が、ご自身の書下ろしに大奮闘している。半人形劇仕立ても、その為の策である。将来、省略なし、等身大の俳優による、極くノーマル上演を望む!平成生まれのピチピチ歌舞伎女形に主役を!な~んてね。

伊予屋(桂憲一)の子役が久し振り。蜂屋(八代進一)が器用に何役も。浅野彰一君の寛美がそれらしい。小椋あずきちゃん、背広お似合い。野田シン(伸市)が巧みな語り。鈴木健介君が濃い。谷川未佳ちゃん、矢張り年齢不詳。芸達者コング氏。若い長橋遼也君いいね。うえだひろし君、ファン増えるんやろうな。ふっこ姉さん、お得意の中国語!

初日の客席が関係者だらけという注目度の高さで、打上げもパンパカリンでした。

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