児太郎を継ぐ時「女形にされちゃう」と嘆いたと聞く。父(五世福助)を早くに亡くし、祖父(五世歌右衛門)に恩義のある六世菊五郎が責任を持って、女形の骨法を叩き込んだが、七世梅幸や六世歌右衛門という存在が、立女形の座を遠のかせた。80になった今、あるッ丈の思いで踊る藤娘。一世一代の娘道成寺の時とは違う、開放された伸びやかさがあるように思う。彼一流の解釈が隅々に行渡り、立役(六世菊五郎)から教わった女形芸のせいか、叔父(六世歌右衛門)や二世藤間勘祖から「荒い!荒い!」と言われた彼の、そんな事を突き抜けた自由さが舞台を埋めている。聞けば、これを踊る為に、本来総刺繍の重い衣裳を全て、軽い友禅染めに新調して万全を期したらしい。女形、女形 。今、俺が向き合ってる大きな課題が、実はそれ 。
塗り椀に男は赤、女は黒。写真右上が家長用で金の「丸に橘(加納家)」。右下が長男(俺)用で紋が黒。そして左上が母用で、男に遠慮した金の「(丸無し)橘」、左下が(嫁いだ)妹用の小振りな椀。日本人の美徳「立場の慮(おもんぱか)り」があるんですね。
いつも丸餅白味噌仕立ての京都式です。焼き餅澄ましタイプは、2、3度しか味わった事ないな…。
お〜い!俺の掛け替えのないものよ!今年もよろしく願います!
昨年からの飲み越しのお座興に皆で認めました…。