天国を向いて歩こう/ハイブリッド・ジャンバーズ

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天国を「うえ」と読ませている。ネットで集まった自殺志願者が、二億円の強盗団に遭遇してしまう。一見、双方が無関係のように進む構成が、突如ガチでぶつかり合い、アッという間に皆殺し(辛うじて二人生き残る)になるのが痛快で、悲惨な場面なのに笑い声が起こる。

自殺組と強盗組も、導入部分が矢張り難しい。状況説明の要素が加わる会話を自然に運ばねばならない上に、言語に現れない、人物が抱え込んだものを、少しでも匂わさないと空間が埋まらない。その中で大車輪屋(とばしや=秋葉陽司)は努力していた。ま、側に居る演出家が、その事にウルサイからね。

お一人、大声でお笑いになる(しかも尾を引く笑い方)ご見物がいらして、その上ドラマ進行に合わせて「ほ~」「え!?」とか、ちゃんと音声として発してしまう。舞台に集中しているのは有難いが、このようなお茶の間で一人テレビ状態は、客席全体が冷める大きな原因となる。う~む…。

何の因果か、と嘆息していると、前列のご見物の携帯が光った。この野郎、消さなかったな!とムカッ腹を立てるや否や、場内がグラ~リ!グラ~リ!馴れっこにはなっているが、揺れ方がいつもと違うので少なからず動揺する。

「小笠原で震度5強、だそうです」係員が告げる内容に納得。サアどうする?お二人程退出なさったが、5分後、何事も無かったように芝居が再開。

無事幕が下りたが、都心の交通が正しく機能しているとは思えないので、飲みの誘いを即OK!大車輪屋と作演出の辻井正樹君と、きちっと芝居談義。久し振りに味わった「もつ鍋帝王」は矢張り美味い!


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