家族/オーストラ・マコンドー

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巨大な鏡に写し出された「居間」は、ぽっかり空いた真っ暗な穴の上に、危なげに固定され、焼け跡のような物干しが上下に。不安定な「昭和」の残骸か?

幕開きから「小津安二郎」演技様式の完コピに驚嘆!(稽古大変だったらしい)歌舞伎の子役芝居に似た、子供達の「型」演技まで…。

名作映画『東京物語』を、幾分崩しながら平成版に書き替えている。スカイツリー、ゲーム機は登場するが、スマホは携帯していない。

若くして夫を亡くした嫁に、自由になれと舅が求める。夫を忘れたくないと泣きながら主張する嫁(趣里さん好演、すすり泣く女性客続出)。

「笠智衆」まんまな、筋肉兄さん康喜弼(こうよしのり)君!超スレンダーな東山千栄子だった伴美奈子ちゃん(扉座)!枝元萌さん(ハイリンド)が健康的な杉村春子で愉快!

家族賛歌で終わるのが昭和の名残りであり、親子が殺し合いをする、平成の荒涼とした現実が…痛い、痛過ぎる。

超こだわりの作・演出、倉本朋幸氏が優しそうな二枚目さんだった。そう言えば奥様は…。


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