うさぎとシーラカンス/SCARLET LABEL(ネタバレ)

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水郷屋(堀越涼)初の外部演出である。開幕直前、する事のない演出家状態に戸惑っていた(笑)。

店舗正面のガラス戸、そして生なりのそっけないカーテン、懐かしい!京都の堀川通りにあった、父の実家(葉茶小売店)が、昔こうだった。

学生当時、神田の古本屋巡りをしたが、今はネットで全国から取り寄せられる。「鏡花全集」も「南北全集」も、これを利用した。便利な世の中になった。

唯一直接伺うのは、歌舞伎座横の「木挽堂書店」。歌舞伎座近辺で時間が空くと、それこそフラッと寄る。狭い店内、足の踏み場もない程古書が積み重なっているのだが、店主の小林氏が心得ていて、「誰それの芸談あります?」と聞くと、「そっちの棚の下の段にあります」と的確に応えてくれる。

不思議な戯曲。水郷屋の本も不思議だが、基本的な感触が違う。その違いが舞台に出ているように思った。


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