九段目切「山科隠家(かくれが)の段」/KAAT竹本駒之助公演第四弾

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忠臣蔵の九段目「山科閑居の場」の素浄瑠璃である。先ず驚いたのは会場の設え。確か「モダンスイマーズ」の公演をここで見た筈だが…。黒い箱型の空間に合わせ、渋い茶色の柱を軸に黒いパネルを立て回し、馬蹄型に囲んだ客席。二間四方程の舞台がその真ん中にセリ出し、重厚な黄金色の房を垂らした見台と、シックな座布団が二つ切り。


早稲田大学演劇博物館の研究員でいらっしゃる神津武男氏の解説が、判り易い上に、ちゃんとご主張も通っていて、しかも軽妙。朋友安冨順氏の後輩だと言う。


DSC_0001(7).JPG眼目の演奏。兎も角難曲の九段目を、丸々一段語るのは男性の太夫でも至難と聞く(雪こかしはカット、戸無瀬の出から)。それを、名人と誉れ高い人間国宝竹本駒之助氏とは言え、傘寿の身で語り切った素晴らしさ。又、重い登場人物ばかりを撥一つで語りを支え、しかも段切れの常、へとへとの太夫を賑やかな手で盛り上げる、その手が超絶技巧を要するので、三味線の鶴澤津賀寿さんも、やり切った感満載!


花組20周年「KANADEHON忠臣蔵」で随所に取り入れた太棹は、津賀寿さんにお願いした。コマ切れで、しかも変わった手やらをお願いしてご苦労お掛けしました。特に九段目は、戸無瀬を演ってたんで力入っちゃって(笑)。


会場近く横浜中華街で、伴った那河岸屋と。画像はブロッコリーと豚の料理、塩味で美味かった。山椒ボリボリの辛~い麻婆豆腐も!


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