ガラスの仮面/青山劇場

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全く原作を知らない。

咲酒屋が出演した「花の紅天狗(1996年)」を、どうやらパロディ作品らしいと思いながら見た程度。木野花丈の「月影花之丞」が、演出家としての御本人が投影されていて、すこぶる愉快だった記憶がある。

「(死体役の俳優に向い)貴方、本当に死んでる?」

自分を含め、フラワー丈の演出を受けた経験がある役者が一様に「言う!言う!」彼女は、そんな事言った覚えない、と言い張るのだが…。

青山劇場の2階席って高いね~。その上、最前列の手摺りが低く、観劇中は集中するから良いけど、高所恐怖症の自分は、幕間などの移動が少し怖い。が、お陰で、舞台機構を全て使い倒した演出が良く見えた。関係者の皆様、楽日までお怪我のないように…。

登場人物が心情を吐露しながら会話をするんで、とても判り易いし、漫画がそのまま舞台で動き出したようで面白い。長尺なのだが、ともかくハイスピードで進行するので、1幕などアッと言う間!脚本・演出のG2さん、ご苦労様でした。

10役越えの那河岸屋、何は置いても、一路丈の恋人役(尾崎一蓮)を仰せつかり、大女優の御手をお取り申す件で、見てる方がドキドキした。

月影先生が演技の奥義を教える様子が、古典世界のそれのよう。思えば、文明開化以降の演劇で、「師弟」関係が確立していたのは新派新国劇辺りかな。現代演劇の世界でも、先輩からコツを教わる事はあったろうが、「弟子」というものは存在しない。自由平等という事か…。確か、前進座さんは「助手」という名称を使っている。

新劇団所属経験のある年下の俳優から漏れ聞いたところ、先輩から演技の細かい所への注意とか、今は殆ど無いらしい。名俳優でも、現代演劇の方々だと「芸」という単語を避けようとする。古典へのアンチなのか?コンプレックスなのか?

終演後、客席を共にした「おしべス(あうるすぽっとでマクベスを演じた押田健史君)」と、那河岸屋、共演者の中川智明君(久し振りに「中川節(彼の独特の間合いが好きで、僕はそう呼ぶ)」が聞けた)と、山出しを装った腹黒女優をお茶目に勤めた内田慈(チカ)ちゃん、その他と会食!

芝居の後の飲み会、やっぱりこれが生き甲斐だな!


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