六年で四演目だそうで、柿崎氏のライフワークに近いし、一瞬の間も緊密に仕上がった舞台がその成果!オーソドックスな演出に、一つの方向をずっと見据える出演者達のテンションが加わり、「清純」な印象を持ちました。勿論、悲劇なのですが、太陽とか汗からイメージする、お軽い爽やかさとは違う、ドシンと重みのある清らかさ、鈍い白さ、うーむ、そんな印象でした。
何せ実録だもんね。特攻機が墜落する記録映像が悲しく、しかもこの時期の上演はタイムリー過ぎ!
「奇々怪々」でお世話になったスタッフ諸氏、伊藤つかささん、伊吹剛氏、その他、懐かしい面々と再会。
出演の波多屋と、俳優座劇場で花組含めお仕事の際、いつも通った「美豚(びとん)」で、定番メニューを次々平らげました。
私も拝見しました。いろいろなところで語られて来ている舞台(富屋食堂)ですが、映像ではなく、芝居という形で観ると、以前に江田島で見た海軍の若い兵隊たちの遺書を読んで受けたと同じ悲しみ、幼さを隠した潔さ、そして当時の人たちの優しさ、無念さなどをよりいっそう感じました。
トメさんのお孫さんたちがこうやって伝え続けていることもやはり偉いなと思います。私たちがすこしでも知ろうとすることが大事なことなのだ、と今更ながらに思いました。
柿崎さんのレパートリーとして、演じ続けてほしいですね。