テアトル・ノウ/宝生能楽堂

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2005年、森崎事務所プロデュース公演で「海神別荘」を演出した際、「美女」役を能様式で演じて頂いた味方玄(みかたしずか)氏の企画公演、第26回目です。

お若いのに、明晰な演技をなさると評判で、お父上味方健(みかたけん)氏も能楽師でありながら、京観世の片山家ご当主、人間国宝でもある片山幽雪氏が「自分が教える!」と、彼の才能と可能性を見込んで名乗り出て、玄氏を内弟子として鍛えたという逸話付き!世阿弥の言葉に「家、家にあらず」とありますが、この事かしら?

毎年恒例の東京公演、いつものようにご一門(父、弟=味方團/みかたまどか氏)と、片山家父子、他に京都や東京の観世流の皆様がご参加でした。そして「海神別荘」で、装束付けをはじめ、玄氏の楽屋回りをお手伝い頂いた谷本健吾氏(銕仙会所属)も、地謡を担当していらっしゃいました。

師匠幽雪氏の舞囃子「山姥」は、自然木の鹿背杖(かせづえ。小書なんだそうですね)をお持ちでした。演技もそうですが、枯淡の感じがぴったり。他に仕舞が六つ。

休憩後、いよいよ玄氏の「楊貴妃」。不思議なストーリーですな。玄宗皇帝の命を受けた方士(ほうじ。神仙の術を身に付けた人で、仙人になる修行過程にあるんですと!)が、死んだ楊貴妃の魂と巡り逢い、皇帝から貰った玉の簪を印に携え帰る。それを見送る楊貴妃の魂…。

今回は観世流の小書「台留(うてなどめ)」演出でした。通常より長く、蓬莱宮を現す作り物の中で伏し沈んで終るというものです。まさに「長恨」の気持ちを強調した訳です。装束も淡い色調の唐織、大口も浅黄色で、幽界の雰囲気が出てました。来年のテアトル・ノウ(7月12日/土)は「砧」だそうです。


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