新春浅草歌舞伎「夜の部」/浅草公会堂(ネタばれ?)

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芝居見物で浅草へ来るのは久方振り。好天とあって仲見世界隈も嬉しい人出。本花道のある公会堂、歌舞伎には頃合の広さなのだが、如何せん桟敷席がないのが寂しいね。音が跳ね返ってワンワンしちゃうのも、両サイドの白い壁面が原因。桟敷に人が座ってると、自然に吸音材の役目をしてくれるから、生音には効果的なんです。


『毛谷村』2011年松竹座で京極内匠を勤めた愛之助君が、六助を。松竹座は通しだったので、須磨浦でお園の妹お菊を惨殺して、死骸に悪戯をする件があり、内匠役の面白さが、女形出身の愛之助君の色気と結び付いて楽しかった。


教わった片岡我當伯父様の解釈で額は割られない(六助はそんなドジでないという立場)。ただ、お幸の入り込みや、弥三松を太鼓であやす件がないので、隣の那河岸屋がちっとも話が判らないとぼやいていた。昨年亡くなった雀右衛門のお園は、手甲の赤い紐を口で解くのが色っぽかった(十二世仁左衛門のやり方らしい)。名題昇進なさった片岡松十郎さんの忍び、足の筋肉が半端なく驚いた。表裏と返るのが重かったが、所作板の上のトンボが無音で良かった。


『口上』市川家の睨みって、暫く絶えていたのを、戦後三代目左團次が襲名の際に復活したと聞く。


『勧進帳』長唄に、花組ヌーベル「番町皿屋敷」で下座の唄を担当して頂いた杵屋佐喜君が並んでました。プラス、今月3日、杵屋勝四郎氏の新年会でお会いした杵屋己之助氏も四枚目にいらして、嬉しくなって楽屋へ挨拶に行っちゃいました。DVC00832.jpg
愛之助君初役の富樫、声が通るからぴったり。孝太郎君の義経も貴公子らしい。海老蔵丈、昼夜出ずっぱりでご活躍。しかし、あんな長いツケの打上げ初めて!


終演後、浅草で名高い「ホッピー通り(煮込み通りとも呼ぶらしい)」に繰り出し、評判の牛スジ煮込みを「浩司」にて頂く。牛スジがでっかくて、しかもトロトロ!こういう店って案外高くつくんだけど、観光したんだと飲み込む(笑)。


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