巨大な電信柱、黒電話、家庭にある漬物樽etc.が昭和の匂いを伝える。
段差の違う6つの空間を上手く使い、数多の場面をスピーディに運ぶ。テレビシリーズを見た人なら、誰もが強烈に記憶するトルコ軍楽隊を逃げて、ラテン、民族音楽、果てはクラシックまで、アコースティックな選曲に違和感がない。
終幕、男どもが囁く噂話に「な~に?」と振り向く四姉妹の怖さは、テレビ通り!
大高氏、亨さんらが、こんな役を演るようになったのだなア、と感慨にふける。中山っちのパーマ頭が愉快だった。
個人的には、舞台での浅野温子丈の怪優振りが最近ツボなんです。いいよね。「灰色のカナリア」で那河岸屋(小林大介)がお世話になった奥菜恵さんが、複雑な役を好演。
(演出の)松本祐子さま、この作品、この顔触れを演出する大変さは同業の者として充分推察出来ますが、そんな苦労を微塵も感じない、久し振りに隅々安心して拝見出来た舞台でした。6月の「西瓜糖」よろしくお願いしま~す。
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