少女仮面/新宿梁山泊(ネタばれ)

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先ず劇場(芝居砦・満天星)がスゴイ!

同じ回をご覧になった松岡和子さんが「ここへ来る道程から何かが始まってる」と仰っていたが、墓場に挟まれた細い路地の先にある古びたマンション。冷たい階段をカツーンカツーンと下りた地下二階。踊り場をくるりと回ると途端に、演劇の猥雑な暖かさに包まれる。劇場入り口の手前にシャレた食堂(ここがまた、アットホーム!)。

そして80人で一杯な階段状の客席。冒頭は幕前なので、この狭さで少女仮面を!?何とその奥がウナギの寝床で、喫茶「肉体」の店内がドーンと広がる。甘粕は更にその奥の壁から雪塗れで登場し、天井を突き抜ける螺旋階段から、大火事がリアルに表現される。

しかも、このマンションの前と後ろに土地の高低さがあり、地下二階は実は一階で、作品によっては本水を存分使うのだそうだが、舞台面からそのまま奥へ排水可能。

金守珍氏のボーイ主任が、唐十郎の世界を体現していて、お手本を見た印象。美仁音ちゃんの「貝」再び!半年でこんなに芝居が大きくなるとは、若い人の伸びシロは計り知れない。水嶋カンナ丈の春日野は、李さん張りで、これも正統派。

思えば、昨年僕が演出した「少女仮面」はかなり特殊だったな。


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