シンデレラからサド侯爵夫人へ/SCOT(ネタばれ)

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随分久方ぶりに鈴木忠志氏の世界に浸った。以前、利賀村で、客席が大爆笑に包まれた作品を拝見したが、吉祥寺シアターも笑いに溢れていた。

主役が下手だから訓練をし直そうと、何と!ご自身のメソッドを茶化して見せちゃう!鍛えられた俳優達が、寸分の隙もなく小道具を運ぶ様子も、一つの見所なのだが、それすら演出家役が間の抜けた格好で大仰に「転換ッ!」

夏子の書く戯曲が未完成なので、代りに「サド侯爵夫人」をやろう。全部?いや二幕だけ。そして、最小限の動きで言葉の大戦争を完璧に終え、演出家役の一言「三島さんも難しいものを書いたな」…腰が砕けた。

勿論、年一度の東京公演に、利賀や静岡ではやらない事をやる、という意図だそうなのだが、ここまで自分を洒落のめしてしまえる鈴木氏に、正直驚いた。が、同時に、ギリシャ悲劇に演歌が響き渡る、その舞台を見た十代の頃から、鈴木氏の感性を追いつつ、今も芝居を作っているようにも思った。

1995~1997年の三年間、利賀村で好き勝手やる我々を、ニコニコと眺めてくれていた鈴木氏を、今更ながら有難く感じた。あの経験があったればこその今なのだから。


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