塩原多助一代記/国立劇場

| コメント(0) | 修正

愛馬「青」との別れが有名、と言われた時代はもう過去。花組の座員の殆どが知りませんでした(波多屋のみ…)。三遊亭円朝の人情話を、原題通りに三世河竹新七が脚色し、52年上演(二世松緑主演)が絶えていました。円朝の口演を記録した速記本にありながら、新七本に無い「山口屋」を新しく加え、言わば、十世三津五郎版です。

「青」が主人多助に代り、仇を討つ件は省略した(馬の仇討ち、「馬盗人」復活を経験した現場だからこそ、実現したら面白かったろうに…)そうですが、上手くまとまった本で、尾上菊五郎劇団伝統(初演は五世菊五郎でした)、世話狂言で大活躍する下座が楽しい舞台となりました。世話狂言て、回りが良いと面白いです。

実在のモデルは「塩原太助」ですが、多くの人を助けたので「多助」にしたのか?いい話じゃないですか!


コメントする