ORFEU-GOKKO(オルフェゴッコ)/双数姉妹(ネタバレ)

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「東京で演劇をやるということは、奪い合いなんだ」確かにね…。21年と4ケ月を経て、小池君が選んだ選択は、「劇団」というカタチを終らせること。

初期の舞台を見ていないのだが、今宵、客席に居合わせ、双数姉妹の初期から見ている友人が、当初は随分前衛でね、ちょっと閉口して見なくなってたんだけど、最近面白くなって来たのにね…。物語を重視し始めてからの小池君が、僕の導入部だったので、同じその「前衛」でも、俳優の肉体個々に潜む「物語」を、特殊な形式で引き出そうとしている、ここ数作品は実に興味深かった矢先なので、同じく劇団を抱える身として「終わり」は辛い…。

ここ数年、そんな事を臭わす小池君だったので、終わりへ向けての、「背水の陣」を作戦通り実現した感が強い。オルペウス神話をモチーフに、コミュニケーションの嘘から、人間の存在までも問いつつ、役者同士の「ごっこ」に客席は爆笑するという、ある種、都会との決別を宣言する作品が、実に都会的な舞台芸術に昇華している事実は皮肉だ。これも意図なのか…。

「もう最後」という意識が、見事な花を咲かせる様子を見て、自問自答した夜でありました。初日乾杯、40人近くの大宴会でした。小池竹見は楽日、泣くんだろうな…。


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