四世中村雀右衛門

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DVC00553.jpg白き鷺娘が振袖を翻し、天高く飛翔する、その舞台を誂えたような雪の青山葬儀所。


1999年に、『奥女中たち』の筋書に掲載する対談をさせて頂く為、歌舞伎座の楽屋へお邪魔し、親しくお話を伺った。あの時、既に御年79。その後80過ぎても、振袖の似合う可憐さに変わりは無かった。


大学卒業直後、当時、海老蔵だった当代團十郎丈の自主公演に仕出しのバイトで出演した際、舞台の袖で「お早うございます」とご挨拶したら、見るからに梨園臭のしない若造を、客人と判断したのだろう、合引きからスッと立ち上がられて会釈なさった。本当に驚いた。


ただ、あの丁寧な物腰の裏に強固な意志があればこそ、名子役~6年の兵役~女形へ転身~映画スター~関西歌舞伎へ復帰~文化勲章、という波乱の人生を渡って来られたのだと思う…。合掌


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なんだか、申し合わせたみたいに、春にいってしまわれましたね。桜も見ずに。

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