かざかみパンチ/カムカムミニキーナ(ネタバレ)

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「もっと判り易くして」という意見があったそうだが、重いテーマを、アングラ的にごちゃごちゃさせる事で、見る側に、逆に距離感を感じさせ、それ故に、より本題へ素直に踏み込める。その方が「腑に落ちる」ように思う。

DVC00490.jpg詞的なムードは、唐十郎~内藤裕敬~松村武、確信犯松村君的には「小劇場へのオマージュ」なのか?だからこそ、鮭のオバケの馬鹿馬鹿しさは、種明かし後の二度目の登場で恐ろしく感じ、古事記と311が繋がる小気味よさが、本来の「小劇場」だと再確認した。それはまさに、ぼくにとって「かぶき」なのだ。ストーリー煩雑、時空間は飛びっぱなし、なのに「ああ、これが言いたかったのね、やりたかったね」を感じる「わかり易さ」。

311以来、演劇が何が出来る?という演劇人全員が抱えている課題を、松村流にきちんと見せて貰いました。「美しい都」が消えたと宣言する幕切れは、ショッキングです。画像はお久し振り、ゲスト出演河野洋一郎氏(南河内万歳一座)。味のあるヒーローをお勤めです。