だるまさんがころんだ/燐光群

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評価の程は聞いておりました。初演から7年、今や10以上の言語に翻訳上演され、本国演劇界で説得力のある演劇賞を総なめな名作。防御と攻撃の終りなきサイクルにハマった「地雷」という発明品にまつわる、人間模様を戯画的に見せた逸品です。僕らとはターゲットが違う、同世代の良い仕事を、やっと見れました。「エンタテイメント」という単語を使う評価もあると聞く。

僕の坐った前席に、おそらく招待客らしい人物が、開幕当初から居眠りで、場面変りの大音響の都度に覚醒なさいますが、中身になると直ぐさまヒキガエルのようなイビキをかく豪胆な方で、劇中何度も蹴り飛ばそうと思いました。確かに終りの見えない複数のシチュエーションの積み重ねは、終りのない「地雷除去」の象徴のようで、「永遠」の極地でした。明らかに世界ターゲットの舞台は、実に新鮮でした。有難うございます。この後、日本各地~グルジア&ドイツと海外公演なさるそうです。終幕の総出演者による「たるまさんがころんだ」尽くしは圧巻です。