オートマタ/演劇企画体ツツガムシ

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「ぼんち」でご一緒した宴堂(えんどう)裕子ちゃん、「BASARA」で共に闘った蓉崇(ようたかし)くん、が同じ舞台に!DVC00458.jpgこのトライアングル、実は一辺が繋がっていない。つまり、裕子ちゃんと崇くんは、初共演でお互いの事を知らなかったのだ。だから双方から、彼(彼女)とはどういう縁で?という質問を受けた。

常は天然ちゃんの宴堂嬢と、飄々としたイメージの蓉くんが、片や楚々とした娘を透明度高く、片や、キラキラ青年が渋く歳を重ねる様子を丁寧に。上出来!上出来!

上演場所のSPACE雑遊(ざつゆう)は、以前「THEガジラ」の公演を見たが、超緊密な空気を要求する空間で、今夜の舞台も、のっけからブレス一つにもこだわった会話でスタート。「オートマタ」とは自動人形の事で、実在した「トルコ人」と呼ばれたチェスをするからくり人形をモチーフに、それに関わった人々の愛欲に対する執念が丁寧に描かれる。

ツツガムシの母体メンバーが新劇系なので、出演者も俳優座や円の方々が多い。主役マカリスター(父と子の二役)を勤めた、高川裕也氏は無名塾出身。最近、情報量の少ない公演を見る機会が多く、発見やら新しい出会いがあって面白い。

演出の田中壮太郎君による選曲が上品。効果音も練られている。驚きは林竜之助君の脚本。完全オリジナルのようだが、実に行き届いた相関図。僕にとって未開のチームだったので、その新鮮さに目パチクリし過ぎ、冒頭シーンとクライマックスの演出との関連がその場では飲み込めず悔しかった。
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終演後は、崇くん所属事務所社長、赤尾マーサ氏の店「ピッコラピアッツァ」へ。マーサさんお久し振り~!相変わらず美味しゅうございました。土曜の夜の二丁目は、今、スゴイ盛り上がりなんだね。

席が隣だったので、高川氏と無名塾時代の話など伺う。「僕、こう見えていい歳なんです」いやいや、塾時代は毎日十キロ走ったというだけあって、隆々とした肉体、ご立派です。マーサ氏がベタ褒めだった、小飯塚貴世江さん。腹話術人形役を、脅威の身体表現とセンスで演じ切っていた。恐るべし俳優座…。