姉妹たちの庭で/シアタークリエ

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原題は「MORNING’S AT SEVEN(朝は七時)」英語圏では良く知れた詩の一部だそうで、「すべてに世は事も無し」という、その詩の最終行から判るように、今まで通り平和だというタイトル。戯曲も、様々事件が起こりましたが、家族の悲喜交々は何ら変化はありませんでした、チャンチャン!という感じかしら?

板垣君も商業演劇ご常連になりました。兎にも角にも、このお顔触れ!四姉妹に、佐久間良子丈、浅丘ルリ子(旭日小綬章おめでとうございます)丈、江波杏子丈、安奈淳丈。渋き色男田村亮氏。淡々と怒り嘆き、そして口説く小林勝也氏。大きな体を巧みにフル稼働、渡辺哲氏。なんて愛らしい青年なんでしょう、岡本健一君。清楚で可愛らしい加藤貴子さん。大人の心遣いに溢れた現場だったのだろうと思うと、演出家として、何と羨ましいメンバーであることか!

1980年の再演(1939年初演の評判はかんばしく無かったらしい)で、初めて評価されたこの戯曲は「アメリカ屈指のコメディ」と言われたそうな。でも「実(じつ)」に満ちたお芝居をなさる、佐久間丈と浅丘丈だから、人と人との悲哀がにじみ出て、涙々の幕切れとなったのは、日本という土壌もあるのでしょう。