さすらいアジア/壱組印

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昨年に続きスズナリへ。十数年前、初演時の外題は「かやくご飯」だったそうな。この作品を引っ張り出し、正に今この時期にピッタリな出し物に出来たのは、大谷氏と共に演出に名を連ねた松村君の助言でした、とは当の大谷氏からお聞きしました。「彼は若いのに偉いね」手放しでした。

半縫い包みの猿達が関西弁を喋り出す冒頭(第一声が、猿姿の土居さんとはッ!)から、ナンセンス芝居の連続なのだが、「~人類の創世~」という副題に込めた思いが幕切れ近くに炸裂する。自然をおちょくって来た機械文明が、味わっている現実…。ともすれば時代遅れになりそうな笑劇が、見事に同時代なメッセージを持つ大人の芝居となっていた。

月曜日という事で、公演明けやら休演日やらで、同業者が大半な客席が演劇的な仕組みに反応する!反応する!その熱に呼応して、舞台もいいテンポとテンションになり、初日以来一番の出来だったとは、制作担当者の喜びの声でした。

飲み会では大谷氏と、主宰者の苦労話を分かち合いました。それにしても、壱組印お得意の土俗な音楽と踊りは好きだな~。