CHUJI/脇組プロデュース

| 修正

初演より枝葉を落とし、「ドラマティック」を前面に改めた再演。その分、印象がシンプルで、主役のみならず人物一人一人が際立って、ある種の群像が見えました。

新しい国を作る為の旗頭も必要だろうが、世界のあちこちで、かつて希望の旗頭だった人物の転落が相次ぐ昨今、ヒーローの有り方を、古式に乗っ取った貴種流離譚的に見せた設定が、懐かしく、又、見世物として説得力を持つという事実を見せて貰いました。脇組の客席は、年配の男性が多くいらっしゃるのが特徴。ヒーローの不在をどう埋めるか?という芝居は、彼らにどう映るのだろう。終演後、久し振りな新橋の宵、町行くかつての企業戦士の今!を眺め、そして想いました。

散り際に、これ又古風な「捌き」を見せてくれた天邪鬼屋さん、楽日までお怪我のないように。