女の一生

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ご出演の新派安井昌二氏が筋書きで言うように、僕も「残念ながら文学座の『女の一生』は見ていないんです」が、幸い、文学座分裂前の貴重な映像がDVD化されており、また、その後の記録映像も見る機会があり、いろいろなイメージを画像から焼き付けた上での観劇となりました。新派の新しい財産が増えたというのが正直な感想です。「花たち女たち」「和宮様御留」でお世話になった、波乃久里子さん、大健闘!新派女形芸を何処かで吸収したであろう杉村春子氏の、「女優」という枠を超えた、言って許されるのなら「芸」のような「布引けい」と比べると、鷲掴みな大胆さが足りないようにも思うが、来春、江守氏の新演出で文学座で上演されるおそらく新バージョンを予想しても、戌井氏演出の本家の深みは、伝承してしまった感がある。映像に残る宮口精二氏の伸太郎、詰襟姿に嬉しそうな演技が微笑ましかった…。「花たち女たち」で共に戦った、武蔵屋と観劇。終演後、日の高い内から、JRのガード下で盃を交わしました。