心中天の網島/木ノ下歌舞伎

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眩しい照明の中、のっけからメロディ的には長閑な歌曲。「そんなことしちゃったら良くないよ そんなことしちゃったら神様に怒られる」実は心中批判である。「天網恢恢」と「網島」とを掛けた近松がタイトルに込めたテーマを、平易な文と平易なメロディで主張する。

現行大歌舞伎では、近松後に芝居っぽくアレンジされた戯曲が、都合良くいいとこ取りになっているそうな。

原文の件に、創作も含めた現代語の件が、随所に入って来て、或るテンポ感を生み出している。

原文の件の方が、実感があるという発見が、大近松の身上だね。「弥陀の利剣とグッと刺され、引き据えても伸び上がり、七転八倒」「なり瓢箪、風に揺らるる如くにて、次第に絶ゆる呼吸の道」原文通りの断末魔!結構でした。

しかし木ノ下君は果敢だ。今度、様式と身体、なんてテーマで話がしたな。


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