先生と赤い金魚/おおのの♪

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死とエロスを描いた原作をモチーフに、可愛いらしさと寂しさに溢れた作品に仕上がっていた。

ヌメヌメとした金魚の感触に、女体の艶めかしさを描くという感性は、相当エロチックなもの。魚拓にする際に「酢で洗う」という言葉が度々出て来るが、それすらも幾分淫らな印象を受けるのは、こちらが男だからか?

会話のみで進行する原作のシュールさは、文字だから成り立つように思う。これを、実際、俳優の生身を使う時には、ムードだけではなく、実感というか、生っぽさ、人臭さがあると、更に舞台が濃厚になる。

こんな話(もっと違う表現を使ったように思うが)を、終演後の宴席で大野と意見交換した。

伊予屋(いよや=桂憲一)の老体は、その実、枯れ切らない所に面白みがあろう。登場の度に色が違う自由治屋(ふりいじや=押田健史)、経験を糧に!


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