名もなき男/幸福魂

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天王寺でしこたま飲んだ翌朝。全国的な強風により、5分遅れで新大阪を出発した新幹線、新横浜までに遅れを解消!日本の鉄道の凄さよ。数時間後、江戸川橋「絵空箱」へ。我ながらのフットワーク。

大車輪屋(とばしや=秋葉陽司)さん初演出!とても演劇的に重層な構造を持った脚本を、丁寧に仕上げている。

脚本の横山美智代さん、主演の田辺日太さん、大車輪屋とは養成所同期との事。それぞれが、それぞれの場で、現役の演劇人として年齢を重ねた上で、共に芝居作りをする。いい感じだね。

複雑な人生を歩んだ男に関わった人々の証言から、自殺(他殺?実は事故だった)した男の謎が明かされて行く、という推理劇タッチが、最後まで興味を引っ張る。人それぞれの、個だからこその特異な「幸せ」が描かれる。

登場しない「名もなき男(結果、名は判明する)」の、その「幸せ」が、もう少し実感的に舞台に現れたら、もっと良かったろう。個人的な感想として、作&演出に伝えた。

大車輪屋は、「演出家の言葉」を探して苦労したようだ。そう、演劇の現場で、実働部隊でない演出家の唯一の道具(武器)は、「言葉」なのである。


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