桜姫東文章/内幸町ホール

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「講釈仕立一人芝居風丸本歌舞伎落語」である。

2013年に「文七元結」の「岡田嘉夫ニューバージョン」を桂やまと氏が口演した、その流れで、花組芝居一の落語好き、波多屋(原川浩明)が、岡田氏による書替桜姫に挑戦した。何と十五役!冠通り、歌舞伎を丸々落語化し、一人芝居風な講釈として仕立て直している。

先ず稚児ケ淵から先に身を投じた白菊丸を見て、薄ら笑いを浮かべる清玄に驚く。えゝ、大まかな筋だけ借りた、全く新しい物語になっている。

「女形をいつも演らない方を選んだの」岡田氏が波多屋を選んだ理由である。幕開きと幕切れに、地唄の小原直さんの演奏(黒髪)があり、三回程、渋谷を拠点とする「東京えびす連」の賑やかな阿波踊りが挿入されるのは、「文七元結」の際の新内節と同様な趣向。

どんでんにどんでんが重なる、岡田氏のセンスに満ちた幕切れ、桜が散る中、狂乱した桜姫が踊るのが、コクーン歌舞伎(福助版?)のそれと似ているか。

兎も角一回とは勿体ない。洗い上げてもう一度挑戦して欲しいと思った。


コメント(1)

観に?聞きに?行きました。十五役 声を変え表情を変え 見ごたえがありました! 後半 疲れも見せずの熱演に感動しました。ラスト花吹雪にはビックリ! また観たい作品ですね!
 

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