追憶のアリラン/劇団チョコレートケーキ

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劇団名と上演作品のイメージ乖離は、劇団の来し方によると聞いた。この差は、それなりに面白い。


タイトル通り、1945年終戦前後、朝鮮半島で起こった事に巻き込まれた、日本人と朝鮮人との葛藤を描いている。前作はサラエヴォのテロリスト、前々作は大正天皇、と、取り上げるテーマが社会派中の社会派!


作家の古川健君が歴史好きらしい。学校で教えてくれない当時の、様々な事柄が次々で、見ていて興味が尽きない。その上、人物の書き分けが明確なので、一人一人に感情移入出来る。特に、職務だけでなく自分に対しても健気に生きた「朴忠男(ぼくただお=パクチュンナム)」役がいいねえ~。


DSC_0002 (18).JPG水やん(水下きよし)が贔屓にしていた岡本篤君が、重い作品に柔らかな風を送っている。


佐藤誓が演じた「豊川千造」は、作者の祖父の体験が投影されているとか。誓は最近、問題の核心にいて耐える役が続いている。確かにあの力強いオデコには、そうした説得力がある(苦笑)。


客席に山崎清介氏が。終演後の飲み会で「僕らの若い頃は、天皇を題材にして、公演中止騒ぎになったりしてたね…」そうそう、随分自由になった。


とは言え、与党がテレビ局を事情聴取したという報道が…。


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