夜叉ケ池/SPAC静岡芸術劇場

| コメント(0) | 修正

1991年に初演した花組版「泉鏡花の夜叉ケ池」に影響を受けたと明言なさる宮城聰氏の招きで、アフタートークに招かれ、東静岡駅の真ん前、静岡芸術劇場へ。


訪れるのは10数年振りだろう。あの頃は開館準備中で、真新しい建物が閑散としていたが、開演前の館内、老若男女が期待を胸に顔の明るいこと。


屋根を廃した古色な書割舞台が、タッパの高い空間に和風モダンな趣きを添える。鐘が無い!これは終演後のトークでも話題に上ったのだが、おそらく客席の上空にあるであろう、無対象の鐘を巡り、人と妖怪が右往左往する。所々カットされてはいるが、言い難い原文を鍛えられた発声法で的確に伝えている。全編、響き続ける棚川寛子さんの音楽が、山に囲まれたおどろな池の神秘と、人間の愚かで暴力的な自己本位を後押ししている。迫りが効果的に使われていて、少し羨ましい。


思い出すなア、白雪姫の台詞を何回言っただろうな…。青山円形劇場が数年すると閉館になる。もう一度、やりたいなア。


アフタートークの記録映像が早々とネット上に公開されている。随分、いい加減な発言をしていて赤面。「美しき人工美」これじゃ、頭痛が痛いと同じ。その場のテンションなんで、何卒ご寛容な閲覧を願います。


DVC00742.jpg終了後、宮城氏の仕切りで「玉寿司」さん。「おーにょ」も見に来ていたので、一緒にゴチになる。明大英米文学の教授、野田学氏、今宵、トークの司会を勤められた、演劇批評誌シアターアーツ編集長、柾木博行氏、そして芸術総監督、宮城聰氏、と揃うと流石、話題がグローバルで。


新幹線の最終まで残り30分を惜しみ、今宵静岡にお泊りな「おーにょ」と駅前の居酒屋で二軒目。菅原のことどもなど話す。


コメントする