[人形と写し絵による]乱歩・白昼夢/結城座

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作・演出の斎等憐氏が先月12日ご逝去なされたので、急遽追悼公演となり、東京でのたった2ステージは満員との事…。観世榮夫氏の助手として結城座の現場にいらして以来、46年!江戸期には歌舞伎をも脅かした江戸系あやつり「結城座」が、明治期に編み出した、それまでの人形芝居ではタブーであった、人形遣いが台詞を言うという新機軸。その構造と歴史を知り尽くした憐氏の、究極な作・演出です。

「宦官提督の末裔」に出さして頂いた一俳優ですが、劇作や演出もする人間として、この90分に人形芝居の演劇的な可能性の全てが見られます。(溜息)もう新しい事も思い付かないな…な程の傑作です!原作者、江戸川乱歩が「写し絵(九世結城孫三郎)」を楽しんでいたという事実から立案された企画だが、黒色すみれ(ポップな邦楽?音楽実演)と、上等なアングラ感覚、そして400年近い伝統との、至極自然なコラボが「超」現代演劇で素晴らしい。これ、私の理想の一つです。