マッチ・アップ・ポンプ/キリンバズウカvol.8

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登米裕一君に呼ばれ、アフタートークに参加する。昨年「kisses」で田仁屋と、舞台で生チューをした牧野エミ嬢も加わる。エミさんチラシにも載っていない「愛情出演」なんです。ま、タニマチ金魚の公演が先月晦日まであったのですから、ほんま特別出演です。

崩壊した家族を中心に、「何にもない」町で起こる愛憎。アフタートークで登米君が言っていた通り「不完全である筈の人間」達が、見つかる訳のない(それは不完全だから)答えを探して苦悩する。

幕切れ、「だって、優しくされたら行っちゃうでしょ」と言い放つコウスケ(深貝氏、お久し振りっす)。それを苦笑いでかわす娘のミズキ。それなりの大団円なんだけど、不完全尽くしで言うなら、不完全な人々が、不完全な結末に、不完全な感情を抱きつつ不完全な納得をして行く。

昨年、水郷屋が出た「ログログ」とは、全体の演技テンションが違う。ここらがプロデュースの面白さか。けれども、矢張り20代30代独特の、不用意に走ったり止まったりする感情表現は共通している。演技というより世代が共有する感性なんだね。同業者としてとても興味深い(これ、つまり、ちょっとやってみたいという事)のだが、それだけで済まさないでね、という老婆心もチラホラ。登米君、次に世代ギャップの芝居を作る時は、呼んで下さいよ。

しかし、新百合ヶ丘駅周辺の様変わりは凄いね。高校時代小田急で通学していたのだが、あの頃は山の中だった。30年以上前だけどね…。