演劇「津軽」/スペース・ゼロ

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昨年青森県の主催で、太宰治生誕百年を記念し初演された野外劇。間も無く(12月4日)全線開通する東北新幹線で、青森へ観光客を誘致する東京でのイベントとして再演。主演が我らが村田雄浩氏、演出が弘前劇場の長谷川孝治氏という事で、先々週まで「花たち女たち」を上演していた劇場で、今度は客席に坐った。偶然ご一緒になった佐藤B作氏が「ここに坐ると花組の芝居を思い出すねえ」。他にも風間(羽釜でない)杜夫氏、加藤健一氏はご子息を連れて。舞台は「津軽」の風土風習を随所に盛り込みながら、太宰が故郷探しをする物語。DVC00256.jpg一幕幕切れで、殆どフランス語かと思う、ベタベタな方言(字幕付き)で繰り広げられる地元独特のてんこ盛り接待に大拍手!これ一つの芸だね。この接待を実際に体験して欲しいと、商業演劇並みの30分という休憩に、観客全員に郷土の味満載なお弁当が配られる。広いロビー一杯に椅子を並べ、大入りのご見物が舌鼓。二幕、太宰が、必死で探し当てた乳母「たけ」と再会する場面が白眉。全編で「豊田児童センター一輪車クラブ」の高校生達が疾風のように駆け抜け、輪を作り、幡を振り、一輪車による組体操というか、空間を豊かなものにしている。その実力は世界一らしい。シルクドソレイユに出演をオファーされたと聞く。「ふるさと」という根がある事が羨ましい。画像はロビーで販売されていた青森名産品の内から、「林檎どらドラ焼き」と「りんご酢キャラメル」。