可児市日誌/7月11日(日)

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立ち稽古一巡目も丁度真ん中。岡部耕大氏の文体は独特な語句順で、お二人は四苦八苦。日々進む程に、女優二人同様に芝居をする部門が出来つつあります。お二人の呼吸に合わせ、空間を静かに、緊迫感を持って色濃くしています。どの部門かは、どうぞ本番をお楽しみに。さて、稽古も後半を過ぎた頃、地元小学生達の見学が始まる。稽古場にはバルコニーのような2階部分があり、そこからご見物。こんな小難しい芝居なのに、とても静かに見てくれました。そして、終了後、彼らにも芝居に参加するある事をして貰いました。本日は稽古それ自体と同じくらいな大仕事と考えていましたが、実は数年前に市民参加のミュージカルに出演した皆さんで、こちらの指示にとても素直に、そしてアンサンブルも確かなお仕事をしてくれ、あっと言う間に終了。有難う!演出の僕自身、あっと言う間過ぎて、写メ撮るの忘れちゃった…。先日の座長日誌「アリバイのない天使」の項で「優しい人程、嘘をつく」というのは、最後のシーンで主人公のお母さんが「(息子が解雇された事を)知ってたよ…」傷付いた息子の傷を広げないように、母は知らん顔をした。が、そのせいで息子は大きな嘘をついてしまう…。「精霊流し」にも似たやり取りがあって、しかも「優しか人が嘘をつく」という台詞までありました。「嘘っちゃ、良かれと思うてつくもんたい」良かれが悪かれになってしまう事の多い、悲しい嘘…。「嘘をつかない」そんな事言う人こそ、嘘塗れか、相手を慮らない自己本位な人物なのかも知れませんね。