2011年9月アーカイブ

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男女川恋松(みなのがわこいまつ)

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初代が名乗って以来、140年以上途絶えた事のない「市川猿之助」の名前が、更に寿命を延ばす慶事に加え、46歳の香川照之さんが、如何に実力派の男優とは言え、テクニックだけではどうにもならない、蓄積が物を言う歌舞伎役者になる決心をした。

しかも先代先々代と名優が続いた「市川中車」を九代目として襲名するのだから、いろいろ意見もあろう。実は僕も、聞いた当初は動揺したが、今は彼を賛美する。何しろ、「かぶき座の怪人(21世紀版)」に登場する男女川恋松のドラマは、他ならぬ、1才で生き別れた父に、20数年後の再会を拒否された彼の悲劇が元になっているのだから、彼へのシンパシーは人一倍なんだと思い返した。

猿之助歌舞伎が大ブレークする前、「猿之助百年記念」の若々しい舞台。若気の至りで、澤瀉屋の仕事に批判めいた発言をした僕を気遣い、扉座の横内謙介氏がお膳立てしてくれ、帝国ホテルのロビーで、三代目と熱く歌舞伎を語ったあの3時間。弟子の右近君と僕が共演した「シラノ」の終演後、身体は杖に頼る状態だが、明晰な頭脳で舞台を批評していた、青山円形劇場の楽屋。

それらを思うと、老いと病に直面している今の三代目が、痛々しくもある。が、襲名発表の、幾分芝居掛かった記者会見を見て、四代目五代目への道筋を英断した、三代目の、もしかしたら最後になるかも知れない大仕事が動き出したと、ひどく興奮した。

歌舞伎評論家の犬丸治氏が「壮大な実験」と表した、今回の三世代四人による大襲名。息子と共に歌舞伎を学ぶ香川さんに、僕は大きなエールを送りたい。そして来年の6月は、劇団皆で総見をさせて頂こうと思う。

いつもは出演者である古山憲太郎氏が、書き下ろし演出するという珍しい公演。一見無関係な、刑務所場面と小学校場面が交互に現れる。刑務所で製造される「タイムマシーン」、小学生が噂する「木の鳥」、この二つが絡み合い幕切れには大道具大仕掛け!となるという、随分愉快な習作!

昨日(21日)の台風直撃公演は、ご来場3名様の為に、精一杯の実演を行ったそうだ。その翌日、満席の客席には、僕を含め演劇関係者が多数。モダンスイマーズへの注目度が良く判る。それにしても、達者な俳優さん達だ。その一人、津村君と来春「八百屋のお告げ」で共演します、お手柔らかに!

プラトーノフ/俳小

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アントン・チエホフ17歳の処女作!書かれた時は題名もなかったそうだ。そのまま上演すると9時間掛かる作品を、1981年に早野寿郎氏が2時間半に圧縮した。その本邦初演台本を、ロシア国立マールイ劇場の演出家ウラジーミル・ベイリス氏が、新たに練り直して演出も兼ねた、とっても「新劇」らしい舞台。

女ったらしにも程があるだろう!という主人公プラトーノフの物語。本人に言わせれば、惚れられちゃうんだから仕方ないのだろうが、数多居る不倫相手の一人に射殺される自業自得の結末が、喜劇でも悲劇でもない所に、10代にしてチエホフは自分の世界を確立していたという事か。ちょっと興味をそそられるストーリーではある。

この戯曲をモチーフにした映画「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」の主人公は死なないらしい(未見)。

ご見物に配られる冊子に記載されているので、ここで発表しま~す。来夏、この俳小の皆さんの公演を演出させて頂きます。唐十郎氏「少女仮面」を取り上げるのが、ちょっとドキドキです。

二世中村吉右衛門/情熱大陸

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最近、八世坂東三津五郎の芸談にはまっている。僕が意識的に見始めた70年代の歌舞伎だけでない、能狂言や文楽etc.を、否定する発言の数々…。以前は「思い出は美化されるから」と思っていた。しかし、フグ三津の芸談は、何が悪いかを経験として次々語り明かす。江戸時代から伝わる「古典」の実感がそこにあるが、如何んせん、見てないッ!のだが、少なくとも「古典」という物の、底知れない深さだけは、理解、いや思われた。では、その価値観からすると、とんでもないタブーを犯している花組芝居の活動の、改めての意義を考える。

一方、当代播磨屋の目指すものを、正直、僕は尊敬する。本物だと知らずに見ていた、70年代の本物(八世三津五郎には、似非だったかも知れないが、少なくとも、その残像だったと信じたい…)を越え、更に目標として、それ以前の「初世吉右衛門」という本物に立ち向かう姿勢に、歌舞伎の本道を残して頂いている嬉しさを、今更に感じる。

髑髏城の七人/劇団☆新感線

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お久し振りです。終演後、いのうえ氏(演出)と中島氏(脚本)に会うなり「若いっていいね~」と叫んでしまった。小栗君、森山君、早乙女君、この三人のバランスがとてもGOOD!上背があるから、白地裾模様の着流しが引き立つ捨之介、蘭兵衛は、クルクルと舞うが如く華麗に立ち回り、マント捌きが抜群な上に、身体が効き過ぎる程効く天魔王。

DVC00471.jpgいのうえ演出も随分と進化して、かつてのスニーカーヘビメタル活劇でなく、ちゃんと時代物の体裁を整えたものになっている。吉田君の負傷休演は残念だが、流石に30年の年月で、ベテラン組も大変だね…。


新感線さんは、新鮮な外部スターを次々投入する事で、定番を腐らせずに保って来た。我々花組は、逆に、定番を作らず、歌舞伎役者のように一人が様々な役柄を演じ分ける事で、命脈を保って来た。同じ「かぶき」をモチーフにして来た者として、感慨深い。


偶然、田仁屋さんもご観劇でした。

ほろ苦いチョコレートのような作品だった。コメディとかメロドラマといった区別を超えた、人間の愛しさに満ちた秀作。原題「浮遊する地雷」は何をしでかすか判らない人物の事だそうだ。

しかし、イタリアの伝統的な町ってのは、何処も同じなんだね。舞台となった「レッチェ」の町並みが、海と山の違いはあるが、昨夏訪れた「スポレート」とそっくり!

「八百屋のお告げ」の稽古代役をお勤めだったので、殆ど「る・ばる」の方というイメージがあったもんだから、つい…。プリエールプロデュース「おしるし」公演の主役として、井之上氏と共に来札なさっていたのでした~。

20数年前、「櫻姫全傳曙草紙(さくらひめぜんでんあけぼのぞうし)」で札幌本多劇場へ呼んで頂いたのが、札幌演劇鑑賞会さんにお世話になった最初かな。その「えんかん」さんが40周年を迎えられました。おめでとうございます。

札幌テレビ塔で行われた記念イベントのトークショーに招かれました。「る・ばる」お三人(田岡美也子さん、岡本麗さん、松金よね子さん)と二兎社の永井愛さんとご一緒させて頂きました。

DVC00465.jpg盛り沢山のイベントには、小宮孝泰氏と、「かみさまの匂い」で蜂屋がお世話になった曽世海司君、お二人の落語まで披露されました。更に前日に行われた「えんかんサロンの会」で来札していた、井之上隆志氏が客席に!


終了後、運営の皆さんと交流会。二次会は小宮氏行き付けの「拓郎」。吉田拓郎の歌以外はご法度というライブ空間もある飲み屋へゾロゾロ。カクスコ再現、井之上氏がお歌を披露。小宮氏も出演者のネタを織り込み熱唱!

ふ~、事柄を列挙するだけで一杯一杯のご報告でした(笑)。

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