八百屋のお告げ/稽古2日目

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初演以来、鈴木裕美女史の戯曲分析が懐かしい。あの時、随分影響受けたな。自分が演出する場合、こうやって欲しいと具体的に指示して、座内なら、出来なきゃ「下手くそ!」と、体で覚えさす場合が多かったのが、「八百屋のお告げ」初演の2005年以降、座内の稽古場で、人物の有り様と、戯曲上の様々な件の演劇的な関係を分析して、だから、例えばこうして欲しいと、座員の腑に落ちさせる駄目出しをするようになった。

でもそれは、ある程度出来る役者の、可能性を拠り所としてるから、玉石混合の現場では、万事がそうではお手上げな事もあるけど、随分参考にさせて貰った。

「初演をなぞった再演にロクなものはない」という裕美ちゃんの経験から、と言ってアンチ初演でなく、もう一度、心新しく取り組んで、結果、初演のままになってもいいし、ならなくてもいいし。歳月は確実に、見る側演ずる側に、価値観の変化をもたらしているのであって、それに素直に身を任せようという事かしら。ましてや311を体験した日本国であるし、と、これは再演に臨んでの鈴木聡氏の姿勢でもあるが、出演者6人中1名(津村君)が「八百屋のお告げ」初体験だという事実もあり、どう見積もっても、初演通りは如何なものよ?なのである。