ハズバンズ&ワイブズ/ラッパ屋(ネタバレ)

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311に真っ向挑んだ仰天作!同じマンションの三階に住む人々が、311を境に変化して行く様子を丁寧に見せる。勿論、人間愛に溢れた鈴木聡氏であるから、高岡夫婦(福本伸一君と三鴨絵里子ちゃんのやり取り、もうベテランの域であります)が、燦々と光が注ぐベランダで、のんびり会話するラストは、実にのどかであるのだが、それでも被災地は瓦礫の山だし、太陽輝く空からは放射能が迫っている!と考えると、恐ろしい幕切れである。

客席が良く笑い、そして311の現実を語る件(ボランティアから帰った真鍋役の俵木氏の「俺も死んじまったみたいでよ」だったかな?)では、場内がゆっくりと凍りつく。賛否両論あろうが、「避けられなかった」と漏らす聡氏の潔さを、私は認める。

20日まで新宿紀伊国屋ホールで上演されています。