ファンタスティックス/ホリプロ50周年

| 修正

マット役を勤めた経験もある宮本亜門氏、2003年の初演出以来の積み重ね、そして今年5月イギリスでの同作演出の成果プラスを見せて頂きました。学生の頃、売り出し中(デビュー作らしい)の羽賀研二氏のマットで見たのが初見。随分シンプルな作品という印象でしたが、今夜の舞台、基本シンプルながらこんなに豪華なミュージカルは久し振りです。振付は元より、演技も出来るミュージカル演出家は日本では極少でしょうね。ドラマと視聴覚がこれ程有機的に絡まった高級なミュージカル、感じる生理は欧米ですね。脚本の台詞だけ読むと冗漫な会話も、行きつ戻りつする事で豊かに、リアルな説得力を持つ。この事を、日本の演出家も役者も生かす人少ないです。人間の会話って、いつも結語が想定されないんですよ。言いたい事と単語の選択が追い着かず、ぐちゃぐちゃ遠回りするのが喋る真実。ミュージカルであろうがストレートプレイであろうが、基本はおんなじですッ!初日という事で、テクニカルな不具合はありましたが、ともかく嬉しさに満たされ酒が飲めました。