新皿屋舗月雨暈(しんさらやしきつきのあまがさ)

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国立劇場三月花形歌舞伎。国立らしい「皿屋敷」部分の丁寧な上演で、作品の骨格が良く判りました。復活(作る側は、つまり新作)場面は、孝太郎君の古風(昨今流行の、「女の子女形」と違うという意味で)な女形の活躍で、厚みが加わる。三幕目(みまくめ)宗五郎内、余計な客受けを一切しない、型通りという方針(ご本人の談)が、何より潔し!最近肉付きといい、基本に忠実という心持もあり、お祖父ちゃんそっくりな瞬間が幾度もあり、殆ど涙々の見物でした。林家きく姫氏の司会によるアフタートークが珍しい。番外のイベント故か、休憩の間に、自分の座席が乗っ取られてしまうシステムにちと不満…。恒例、歌舞伎好きの那河岸屋引き連れ、終演後赤坂で飲み明かす。今見たものを肴にする醍醐味をいつも感じる。有難う。