乱歩を歌舞伎にする!花組芝居にとって脅威的な企画を聞き、ともかく見なければという使命感で拝見しました。高麗屋父子が、それぞれに、もしくは父子で経験して来た「歌舞伎」に関する試みを全て詰め込んだ意欲作が、「国立」で企画された意味は大きい。いろいろ考えるところの多い、有意義な観劇でしたが、当事者である「歌舞伎俳優」にとって、「歌舞伎様式」そのものを客観視する、もしくはパロディする事はとても難しいんだな、というのが率直なところ 。しかし、半蔵門で午後7時開演は画期的だろうし、若い年齢層が多い一杯の客席は嬉しい。「染高麗(という掛け声があった)」殿には、一回で終らせないで、試行錯誤して続けて欲しいと提案させて頂きました。