モデル/西瓜糖

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人を想い描く事。画家はそれを作品にする。「軽井沢」という設定がニクい。日本が大変容を遂げつつあるのに、さ程実感が伴わない、でも近い、という絶妙な距離。

林に囲まれ、雪で隔離された閉鎖空間で、もがく人、逃げ込む人、居続ける人。

いつもながら、見る側に勝手な妄想を描かせる、桜子嬢の中間色な戯曲。大事件を匂わせる銃声が、な~んだチャンチャンには腰が砕けた(笑)。

戯曲の構造を生かした転換アイディアの妙、祐子さんの選曲好きだなア。

西欧カブレな自己主張の強い装置でなく、劇場のありのままを究極活かす、石井強司氏(美術)のさり気ないセンスが矢張り抜群。

「~ですのよ」「~かしらん」日本語!日本語!いいなア~!これをちゃんと言いこなせるのは、技術もさる事ながら、役との距離感が明確だからと思う。これ、杉村春子さんからの伝統かな。

奥山嬢が、まさに歩くコカ・コーラ瓶!

那河岸屋は、当初漏れ聞いていた役割と異なるキャラクターなのだが、どうも忘れ去るべき目線で見てしまうので、随分とうがった解釈をする僕を、彼は呆れて居た(苦笑)。だって、立ち去る後ろ姿が「森のクマさん」なんだもの。「それは地です」うん、だよね。


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