蜘蛛の巣

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以前是屋がやった「オリバー・カステロー」を花王おさむ氏がお勤め。思い違いと嘘が、蜘蛛の巣のように人々を絡め取る物語。演出の大谷亮介氏が、翻訳劇特有のしつこい文体を、すっきりさせたせいで、とても心地良い展開で物語が進むが、アガサが仕組んだ仕掛けが余りに込み入っているので、そのスピードの為か、一つ一つを把握するのが大変。稽古場で拝見させてもらった、緊密な印象が、やはり大きな空間では薄まったようにも感じる。しかし、芸達者揃いの舞台の量感は確か。我らがルリ子さんは、翻弄される主人公を、知的で可愛いキャラクターで描いて魅力的!拙が演出した「恋はコメディ」で、ストレートプレイデビューした石井一孝さん、更に演技が安定したようで嬉しい。