父さん・・・

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父さんに報告です。僕は無事です。
地震の時、僕は新宿にいました。
いわゆる「帰宅難民」の一人になりましたが、僕の住んでいるアパートは、歩いて一時間の距離にあり、不幸中の幸いでした。
アパートに帰ってみると、家財道具は全て無事でした。
ほっと一安心して、シャワーを浴びようとユニットバスにはいると・・・歯磨き粉が・・・トイレに落ちていました。
でも僕は、この事を前向きに考えようと思います。
「これで済んで良かったんだと・・・」
さて、寝ようと布団を敷きました。
父さん、僕のアパートには「クローゼット」があります。三段に分かれていて、中段、下段には洋服、上段には普段使わない辞書やら過去の台本やらをしまってあるんです。
普段は面倒で開けっ放しのクローゼットの扉・・・
いつも僕は、その前に布団を敷き寝ていました。
「これ、物落ちてきたらヤバいな、怪我するな・・・」
僕は怪我を避ける為に、扉を閉めました・・・
「あっ!んっん〜・・・」
手のひらを挟んでしまいました・・・
でも僕は、この事を前向きに考えようと思います。
「これで済んで良かったんだ」と・・・
僕は食料品の無いスーパーへ行き、歯磨き粉を買いました。歯磨き粉はたくさんありました。
父さん、僕は無事です。
心配しないで。
父さん、父さん・・・
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